SERVICE

上智大学様

eラーニング教材「これならわかる!基本統計学Ⅰ」で時間のかかる宿題の採点作業から解放!紙のテキストとeラーニング教材の併用で知識をしっかり身につける仕組み作り

「これならわかる!基本統計学Ⅰ」イメージ画像

今年で創立107年目の上智大学は「叡智が世界をつなぐ」を理念にかかげ、国際貢献できる人材育成に力を入れています。

経済学部経営学科の網倉久永先生は、これまでゼミ生の統計学学習のフォローに時間がかかっていたそうですが、「これならわかる!基本統計学Ⅰ」の導入によって先生の手間を削減することに成功しました。教材の導入経緯や効果について網倉先生に伺いました。

時間がかかる宿題の採点作業から解放された

――「これならわかる!基本統計学Ⅰ」をご利用いただいている授業の内容と導入経緯を教えてください。

3・4年生向けの経済学部経営学科のゼミで利用しています。
上智大学の経済学部は卒業論文が必修ではないのですが、うちのゼミは単位習得の条件として卒論を書かせています。卒論で自分の調査研究をするとき、様々な推論や判断のプロセスで統計の知識が必要になります。また、統計データをちゃんと理解するためには、統計学の、少なくとも「回帰分析」くらいまではわかっていてもらいたいんですよね。それをゼミの時間外で自習しておいてもらいたいと思いましたが、統計学の勉強をしなさいと言っても、誰もしないんですね。うちの経済学部経営学科は入試の際に数学が選択制なので、いわゆる「私立文系」の、数式を見た瞬間に気絶しそうに、なんていう学生たちもいたりして……。

――自習だと学生の主体性に委ねられてしまうので、なかなか難しそうですね。

この状況をなんとかしたいと思っていました。
僕は、「これならわかる!基本統計学Ⅰ」の著作者である宮川公男先生のゼミ出身なのですが、宮川先生の著作の「基本統計学」の練習問題を、ゼミの宿題にすることにしました。

※「これならわかる!基本統計学Ⅰ」は、宮川公男先生著作の「基本統計学 第4版」(有斐閣)、「統計学でリスクと向き合う」(東洋経済新報社)にもとづいて制作されています。

最初は学生に1日1問と決めて、毎週ゼミの時に紙で提出させていたんですね。それを全員分、小学校の先生みたいに僕が丸をつけて毎週返すっていうことをやっていたのですが、それはちょっと勘弁して欲しいなと……。

――毎週ゼミ生全員分の採点をするのは時間がかかりそうです……。

うちのゼミは3・4年生が合同で行っているので、3年生と4年生でペアを組んで演習問題を解いていくやり方に変えましたが、できるできないのバラツキが発生してしまいました。どうしようかと悩んでいたタイミングで、宮川先生とゼミのOB会でお会いしました。その際に宮川先生から「これならわかる!基本統計学Ⅰ」を紹介していただき、導入することに決めました。

学習画面

学習画面

――実際に教材を導入されて、どのように使っていらっしゃいますか?

3・4年生でペアを組んで紙のテキスト(宮川先生の「基本統計学」)の練習問題に取り組み、それが終わったら「これならわかる!基本統計学Ⅰ」で紙のテキストでやった範囲を復習して、最後に「これならわかる!基本統計学Ⅰ」の修了テストを受けさせています。合格点がついたら統計学の自習はそれで終わり、というような使い方です。毎週全員分の練習問題を採点することからは解放されました。

学習フォローの手間を削減

――紙とeラーニングを併用していらっしゃるので、しっかりと身につきそうですね。紙のテキストの丸付けはどうされているのですか?

今はしていないです。実は、学生に戻ったつもりで僕が紙のテキストの練習問題を全部解きました。そのときの、計算のプロセスが全部書かれた手書きのメモをゼミの学生にPDFで共有しています。学生たちには、まず自分でテキストを読んで勉強し、自分の力で練習問題を解いてみて、わからなかったら僕の解答を見るよう指示しています。僕の解答を見てもどうしてもわからなかった場合には僕に質問してもらいます。

練習問題画面

練習問題画面

修了テスト画面

修了テスト画面

オンライン教材を通した発見――対面授業だと消極的な学生が、オンラインだと積極的に取り組む様子も

――学生の皆さんの、「これならわかる!基本統計学Ⅰ」への反応はいかがですか?

積極的に取り組む学生と、ここまで用意してあげても統計への苦手意識が強い学生と別れますね。今のところ放任状態なので、積極的な学生は本当にすぐ取り組んでいました。1番早い学生は、「これならわかる!基本統計学Ⅰ」を使い始めて2週間くらいで全部終わったと思います。

――それはすごい!早いですね。

面白かったのは、普段の対面ゼミだとあまり人前で手を挙げて喋らない学生が、意外とこういうオンライン教材を積極的に取り組んでいたことです。本来の使い方としてはペアを組んで2人で紙のテキストの練習問題を解いてから「これならわかる!基本統計学Ⅰ」をやりなさいと指示しているんですけど、ペアで紙のテキストの練習問題をやるのを飛ばして、いきなり1人で「これならわかる!基本統計学Ⅰ」をやっちゃいましたっていう学生がいましたね。そういう、オンライン授業やeラーニングの方が向いている学生もいるみたいです。

――オンラインだと自分のペースで進められるので、マイペースに取り組むのが合っている学生もいそうですね。今年は新型コロナウイルスの影響で昨年までと状況が変わっていると思いますが、対面ゼミをしている時と比べてどのような変化がありますか?

3・4年生の学生はもしかするとオンラインの方がやりやすいと思っているかもしれないですが、教員側は授業の準備が大変です。授業のやり方にもよるのですが、全体的に対面でやっているときの1.5倍増くらいの手間暇がかかりますね。事前の段取りが結構かかるので、我々が長く喋っているレクチャー形式の授業だと2倍ぐらいかかってしまいます。

――対面授業に比べて準備の手間が大幅に増えてしまったのですね……。

今までの対面授業だとPowerPointのスライドができてしまえば後は授業で喋るだけ、のような感じですが、オンライン授業だと、スライドができてからさらに同じくらい時間をかけて、このぐらい喋って、ブレイクアウトルームで学生にこういう風にディスカッションしてもらおう……と細かく時間の計画を立てたりする必要があります。

――「これならわかる!基本統計学Ⅰ」を導入してみてメリットだと感じた部分や、導入して良かった点がありましたら教えてください。

1番のメリットはやっぱり、学生の練習問題の答案の採点をしなくてよくなったという点ですね。ただマルバツをつけるだけじゃなくて途中計算もチェックしなければならないので、細かく一人一人見ていくと結構時間かかるんですよ。うちのゼミは大体20人ぐらいますので、採点の手間が省力化できてよかったです。

――少しでも時間の削減に貢献できて良かったと思います。教材の使いやすさはどうですか?

上智大学の全学のシステムはMoodleなので「これならわかる!基本統計学Ⅰ」もMoodleで使っていますが、この教材の使い勝手に関して、学生たちに戸惑いはなかったようです。

経済学部内で広がりつつある教材利用

――今後「これならわかる!基本統計学Ⅰ」をどのように活用していく予定ですか?

うちのゼミは来年度も同じように使う予定です。
この教材は上智大学の経済学部の予算で導入してもらっていますので、他の経済学部の先生方にも授業でどんどん使ってくださいとお伝えしています。うちのゼミと同じように紙のテキストと併用して使っているかはわからないですが、「これならわかる!基本統計学Ⅰ」を使って自習するよう指示している先生もいらっしゃるようです。
実は、上智大学の経済学部経営学科の1年生向けの必修講義のカリキュラムが今年から大きく変わることになり、必修講義の中で統計学の時間を作ることになりました。

――どういった目的でカリキュラムが変わったのですか?

世の中の状況を考えると、データサイエンスが重視されるようになってきています。経営学科では、専門的な学習に取りかかる前段階で必要とされる基礎的リテラシーのレベルを、これまでの「表計算ソフトを使ってデータを整理し、作図する」程度から引き上げることを目指しています。社会科学を学び、社会現象を分析するために、学生にはデータ分析のスキルを身につけておいてもらいたいと考えています。そのための基礎として、1年生から統計を学ばせることになりました。ゼミで専門科目の勉強を始める前の1・2年生の間に、「回帰分析」くらいのところまで経営学科の学生全員にわかっていてほしいというのが、今回のカリキュラム改変の大きな目玉なんです。

――カリキュラムの改変によって、今後1・2年生にも「これならわかる!基本統計学Ⅰ」を使っていただく可能性もあるのでしょうか?

その可能性もあります。幸いユーザー数は無制限の契約をいただいていますし、活用していきたいですね。

※ 掲載内容は2020年11月現在のものです。

網倉久永先生

網倉 久永 先生

上智大学大学経済学部経営学科教授

著書『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』(共著)

最近の研究テーマは「組織能力の構築と競争優位の維持」

詳細なプロフィールは こちら

  • next