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立正大学様

WebClassを活用したアクティブ・ラーニングを実践!
対話が苦手な学生も意見共有しやすい授業の作り方

木村先生

2022年で開校150周年を迎える立正大学。
歴史と伝統を有する一方で、ICTを教育で活用する取り組みも積極的に行っています。

文学部哲学科の木村史人先生は、「倫理学とは何か」という授業でWebClassを使ったアクティブ・ラーニングを導入しています。WebClassを使い、web上で学習者同士の意見共有ができる仕組みを実現しました。WebClass導入の経緯や具体的な活用方法、導入効果について木村先生に伺いました。

哲学の授業で行う2種類のアクティブ・ラーニング

-WebClassを活用している授業について教えてください。

「倫理学とは何か」という授業は、受講人数が多いため2クラスにわかれています。
どちらのクラスもアクティブ・ラーニングを導入しており、片方のクラスはピア・ラーニングを行い、もう一方のクラスはWebClassを使って意見共有をしています。

  • ピア・ラーニングの概略
  • ピア(peer)とは「仲間」という意味であり、ピア・ラーニングとは第二言語教育において注目されている、学習者同士の協働的活動を通しての学びの総称である。近年ますます注目されているアクティブ・ラーニングの一形態である。
  • ――木村史人「大学での哲学教育における二種類のアクティブ・ラーニングの導入」『立正大学文学部論叢』第140号、2017年
ピア・ラーニングの概要

-哲学科の授業でピア・ラーニングを導入されているのですね。

立正大学に赴任する前に中国の福州大学で日本語を教えていた経験から、ピア・ラーニングが哲学の授業で使えると考えていました。

-第二言語教育で注目されているピア・ラーニングの手法を、哲学の授業で使えると思ったのはなぜですか?

単に、哲学者の名前や用語を覚えてもほぼ意味がありません。そのため授業では、哲学者の思想を自分で応用できて、具体的な問題に適用できるようになることを目指しています。そういうことを練習する場が必要になってきますが、練習をただ自分で勝手にやるだけではなくて、ある程度それをチェックするシステムが必要になります。そこで、ピア・ラーニングが使えると思いました。
グループを作ってピア・ラーニングをさせて、最終的にピア・ラーニングの中でまとまった内容を発表してもらい、僕の方でチェックをしてコメントを返します。ここで僕がアドバイスをすることで、具体的な問題にどのように応用すればよいのかを確認することができます。また、それがテストの予行練習みたいなものになっていますので、最後の期末テストの成績も向上しています。

  授業の様子

対話が苦手な学生のためにWebClassを導入

-WebClassの導入経緯を教えてください。

2015年に立正大学に赴任し、「倫理学とは何か」の授業にピア・ラーニングを取り入れました。2クラスとも同じようにピア・ラーニングを行いましたが、人数に差があり、人数の多い方のクラスの授業満足度が低かったことを受けて翌年の授業を改善することにしました。改善の取り組みの一環がWebClassの導入です。

-WebClass導入の目的は何だったのでしょうか。

「倫理学とは何か」の授業は、哲学科だけでなく他の学科の学生も多く参加していますが、授業内容には哲学科の学生でないと難しいところもあります。内容の難しさに加えて対話が苦手だという要素が入ってきてしまうと、ピア・ラーニングが上手くいかないグループが出てきてしまいます。哲学科以外の学生がいっしょにピア・ラーニングをすることの意義はもちろんありますが、対話が苦手な学生用のクラスを作るべきなのかなと考えました。

授業の説明

-WebClassの導入はスムーズにできましたか?

比較的スムーズでしたが、スマートフォンを持っていない学生への対応が必要でした。
他にも、いま振り返ってみたらもっと上手くできたということはありますが、導入当時はそこまで不都合は感じていなかったと思います。

木村先生のWebClass活用方法

1.チャット機能を使い、自分の考えを提示する

  • 課題「最近あった事件をひとつ挙げて、それの事件の善悪を、ジェレミ・ベンサム、ジョン・スチュアート・ミル、イマニュエル・カントの三人の倫理学理論から分析しなさい」
課題1 チャット画面1

2.掲示板機能の活用

  • 課題「ジョン・スチュアート・ミルの「低級な快楽」と「高級な快楽」の具体例をそれぞれ挙げて下さい」
課題2 掲示板画面1 掲示板画面2

3.チャット機能を使い、議論する

  • 課題「捕鯨は善悪どちらか」
課題3 チャット画面2 チャット画面3

-WebClassを導入してよかったことや、導入のメリットはどのようなところだと思いますか?

対面が苦手な学生のフォローができることです。心理的な抵抗感が少ないのがWebClassの最大のメリットと言えます。ただ、対面が苦手だということを乗り越えた時に得られるものもあるので、そこは失われてしまう。この点は残念なのですが、どうしても対面での対話が苦手な学生に無理強いするべきではないと考えています。
ただし、お互いの意見を共有したり、お互い議論をしてなんらかの意見を導き出すことは、手法は違いますがWebClassでもピア・ラーニングでも両方可能だと思います。

-WebClassを導入して、学生さんの授業満足度に影響はありましたか?

WebClassを導入した2016年の受講人数は、WebClass使用したクラスが153名、ピア・ラーニングを行うクラスが75名でした。大人数であるために低下すると思われた授業満足度は低下せず、2クラスの評価に顕著な差が見られませんでした。むしろ、WebClassを使用したクラスの方が高評価だった項目もいくつか存在しています。WebClassの導入をはじめとした改善の取り組みが有効だったといえるでしょう。

木村先生

休んだ学生のフォローをWebClassで

-今後のWebClassの活用に関してのアイディアはありますか?

授業内での使い方に関してはある程度定まってきたと思いますが、もっと面白い使い方を考えていきたいです。

僕がまだあまりやっていないジャンルとしては授業外の部分です。
事前学習や反転授業、復習などにWebClassを活用したいと思っています。授業の中で丁寧に復習をしているつもりなのですが、やっぱり3回くらい連続で休まれてしまうとフォローの手が回らなくなってしまいます。そういう学生向けの対応など、授業外の活動にもWebClassを活用したいです。

※ 掲載内容は2019年12月現在のものです。